買い物が止まらないのはなぜか――コンコルド効果

普段、みなさんが買い物をしているとき、なぜか自分の意思に反して、商品を買ってしまったりすることはありませんか?

あるいは、本当は買うのをやめようと思っているのに、我慢できなくて買ってしまったことはありませんか?

今回は、自分の意思でさえ止められない消費行動についてお話したいと思います。

1.消費行動を止められない原因――コンコルド効果

みなさんは、週刊「ロビ」をご存知でしょうか。

週刊「ロビ」というのは、デアゴスティーニ社が販売している組立式のロボットです。

ご存知のように、デアゴスティーニの商品は、毎週、ちょっとずつ部品が送られてきます。

ロビの場合、全70回に分けて部品が送られてきますので、ロボットが完成するまで、約1年4ヶ月かかります。

価格は、再刊行版の場合、創刊号が752円、それ以降は毎回1895円です。

たまに、高度な機械が含まれる回もあり、その場合は2800円だったり3800円だったりします。

合計すると、全70回で、約14万円。

なかなかの金額です。

さて、ここで、或る一人の消費者【Aさん】のケースを仮定してみたいと思います。

Aさんは、ロビに興味を持ち、創刊号を購入しました。

毎週届く部品を組み立てているうちに、どんどんロビにのめりこんでいきました。

ところが、50回まで購入したとき、別のものが欲しくなってしまい、ロビを引き続き購入するかどうか、迷いました。

しかし、ロビはすでに70%出来上がっています。

しかも、お金も10万円近く投入しています。

果たしてAさんは、ロビの購入をストップするのでしょうか。

もし、あなたがAさんなら、どうしますか?

おそらく、多くの方が、引き続き購入するのではないかと思います。

なぜなら、もしその時点で購入を止めてしまえば、それまでに購入したものが、全て無駄になってしまうからです。

全てを無駄にするくらいなら、もともとの予定通り、最後まで購入しようと思うのではないでしょうか。

さて、このように、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をつづけることが難しい状況において、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を、心理学では「コンコルド効果(または、コンコルドの誤謬)」と呼びます。

※本来、「コンコルド効果」は、投資の継続が損失拡大につながるにもかかわらず、投資をやめられない状況のことを指すのですが、週刊「ロビ」の場合は、もともと欲しかったわけですし、購入の継続が必ずしも損失の拡大につながるわけではないですので、「コンコルド効果」の本来の意味とは若干異なるのかも知れません。

Aさんは決して損をしているわけではないですし、デアゴスティーニ社もそのつもりではないと思いますので、その点については、どうか誤解なさらないで下さいね。

ただ、いずれにしましても、お金や時間を投入して作り上げてきたものを、途中で放棄するのは、人間の心理として、なかなか難しいのではないでしょうか。

2.私たちも日常的に「コンコルド効果」を経験している

このような心理的現象は、私たちの日常でも頻繁に起きています。

たとえば、買い物でもらえるポイントカード。

10ポイント集めると、3割引になる期間限定のキャンペーンがあったとします。

あなたはお店で何度も消費をし、8ポイントまで集めることに成功しました。

しかし、ここで問題が発生します。

給料日直前ということもあり、お財布にはあまりお金が残っていません。

けれども、キャンペーンの締め切りは残りわずか。

給料日まで待っていたら、キャンペーンが終わってしまい、これまでの努力が無駄になります。

こんなとき、あなたなら、どうしますか?

おそらく、無理をしてでも、“意図しない消費”を行って、2ポイントを獲得しようとするのではないでしょうか。

私もおそらくそうします(笑)

ほかにも、少し以前に話題になった「コンプリート・ガチャ」も、同じタイプのものですね。

5つのアイテムを集めるとコンプリートするという状況で、すでに4つのアイテムを入手していたら、なんとしてでも、残りの1つを入手したいと思うのが人間の心理というものだと思います。
(※コンプリートとは、すべてのアイテムをそろえることです)

このように、「コンコルド効果」は、私たちの身近にあふれています。

「コンコルド効果」の状態になると、私たち消費者のお財布の紐は、ゆるゆるになってしまうわけですが、売り手側にとっては、お客様に商品を買って頂けるという意味で、嬉しいことなのかも知れませんね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加