えっ!!大人の女性の間で「退行欲求」心理を刺激する或る商品がヒット

ここ最近、大人の女性たちの間で、意外なものがヒットしています。

その意外なものとは、「美少女戦士 セーラームーン」や「魔法の天使 クリィミーマミ」といったアニメのグッズやイベントです。

「セーラームーン」は今年で20周年の少女アニメ。「クリィミーマミ」は今年30周年のアニメです。

ではなぜ、大人になった女性たちが、少女時代に観ていたアニメに夢中になるのでしょうか。

1.知的な人ほど強い、子供に戻りたいという「退行欲求」

どんなに知的な大人でも、「子供に戻りたい」という退行願望を持っているのかも知れません。

渡部昇一氏の著書「知的生活の方法 (講談社現代新書)」によると、多くの偉人が退行欲求を持っていたとのこと。

たとえば、
・ダーウィンは夜寝る前に奥さんに小説を読んでもらっていた

・哲学者・カントは、毎晩、ベッドの上で繭(まゆ)にくるまる蚕(かいこ)のように毛布にくるまりながら眠りについていた

・哲学者・ウィトゲンシュタインは、ケンブリッジ大学で講義を行ったあとは、映画館でくだらない映画を観ていた

などなど、高度な知的作業を行う人々は、知的作業を行ったあと、まるで子供に戻ったかのような時間を過ごしていたようです。

心理学者・マズローはこのような退行欲求を「コウスティング(coasting)」と名付けました。

私たち自身も、仕事で疲れた後、漫画を読んだり、コメディー映画を観たりして、息抜きをすることがありますが、そうした行為も、一種の「コウスティング」と言えるのかも知れません。

2.大人の女性の間で少女アニメ商品がヒット

さて、話を少女アニメに戻します。
日経新聞によると、「セーラームーン」や「クリィミーマミ」のグッズが大人の女性の間でかなりヒットしているとのこと。

日経新聞には次のように書かれています。

(クリィミーマミは)30周年にあたる今年、アニメを製作したぴえろ(東京都・三鷹市)を中心に、関連企画が次々に登場している。

反響は「一部のマニア」というレベルにはとどまらない。パルコ、アトレ、丸井など商業施設は期間限定ショップを開設。手鏡は約1万2000個、リップクリームは約7000個、特集したムックは約1万5000冊を売り上げた。

(中略)

「まさに瞬殺でした」。バンダイのメディア部キャラクター第二チームリーダー、渥美真紀さんは振り返る。6月に同社のネット通販で発売した「美少女戦士 セーラームーン」の化粧パウダー入りコンパクト。3980円もするが、1日たたずに予定数量を売り切った。

アニメでは主人公が変身する際に使っていた道具を、大人の女性向けの実用的な商品として売り出した。追加分も即完売。慌てて1カ月の受注期間を設け、最終的には当初想定の10倍が売れたという。
(引用元:日本経済新聞「クリィミーマミ40歳、美魔女キャラに躍る乙女消費」

記事には、バンダイのスタッフの方の次の言葉が紹介されています。

「まして当時買ってもらえなかった子は、喉から手が出るほど欲しかったんです」

子供のころに叶えられなかった願望を、大人になって叶えているということなのでしょう。

バンダイは今回のヒットを機に、「プロップリカ」と名付けた大人向けのキャラクター玩具ブランドを立ち上げたということです。

3.まだまだ未開拓の「退行欲求」市場

男性にとっては、「退行欲求」市場は比較的身近かも知れませんね。

たとえば、男性向けアニメのフィギュアやゲーム、少年漫画など、「退行欲求」を満たす商品が多いように感じます。

一方、女性向けの商品が少ないのが現状でしょう。

今後は、女性の「退行欲求」を刺激する商品が増えていくのかも知れませんね。

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